2013-01-01から1年間の記事一覧

年の瀬の暴飲暴食。 普段は体にできるだけ害の少ないものを食べているので、 一挙に弊害がやってくる。 とくにケーキがいけないようだ。 白糖は人を狂わせる。いらいら、理由のない不安感。 せっかく会社が休みなので、断食でもしようか。 業績がよかったこ…

部屋の中でも息が白い。 灰色の雲が厚い。 冷蔵庫のコンセントはもう抜いた。 でもこの冬の清冽さが好きであることをときたま思う。 難点は単調であること。 毛布を実家からいただく。 暖かい。 最近は仕事で車の長距離移動をすることが多く、 その際NHKのAM…

今の世の中のしくみは、飢えへの恐怖をあおって強制労働をさせるシステムである。フロム わたしたちの生きる歓びを阻害しているのはなんだろうか? やりたくもないことをやっていることは人を苦しめるだろう。 労働。 食うためにといって、人生の大半の時間…

僕の行く美容室から出てくる男たちはみんな同じ髪型だ。 ひとつの髪型だけでいい。

そして死はなぜかしら僕に、中国人のことを思い出させる。『中国行きのスロウ・ボート』村上春樹 美容師との対話。 いままでたいていは美容師との対話は営業的なものか、せいぜい気候的なものにとどまるか、 あとは雑誌を読むか、眠るふりをするかにとどまっ…

学校の、会社の行き帰り、かつて十数年と通った道をいまは、 好奇心から歩いてみる。 もうそこには住んでいない事実だけが優しくそして残酷に浮かび上がる。 自分の影に手をのばす。 もうギターは聞こえない。 いろんな思いがわき上がっては消えていくが、 …

霜降。 ひさしぶりに東京に行った。 渋谷のど真ん中でホームレスが眠っているのに誰もとりあわないのが不思議だった。 わたしはありがとうの言葉だけ遺して去った。 私の隣人たち。

旭山動物園 雨、晴れ、台風。 台風による気圧の変化に昔から弱く、ふらふらになって集中を欠く。 朝の四時過ぎに站椿をしていたら、空が真っ赤になった。 流星よりも明るい、火球(かきゅう)と呼ばれるものが落ちたようだ。 地面に自分の影ができるほど空が…

無くなったものなしには、何にもないだろう。 わたしたちをつくったのは無くなったものだ。 存在しない魂なしに、存在はないように。 一日を生きるのに、詩は、これからも必要なことばでありうるだろうか。 長田弘『一日の終わりの詩集』

北へ来た

なぜかぞろぞろと北海道へ。ここは日本じゃない。植生がぜんぜん違う。 ここには日本的なものはなにもなかった。ただただ雄大。 飛行機から下界の風景を眺めることがこの年齢になっても興奮する。 下北半島を通り過ぎるときに恐山のハート型をした宇曽利湖を…

意拳は実際の組討の中で、往々にして「只一下(ただ一撃)」で戦いを終える。この意拳の奇異な現象を、多くの人は「奪力一摶(すべての力を振り絞って殴りかかる)」、「孤注一擲(すべて運に任せて一息に勝負に出る)」などと理解し、甚だしきに至っては「…

私たちは歩いているの?

韓氏意拳という中国武術の講習会が近所であることをネットで知り、申し込みをして参加した。韓氏意拳はユン・ウンデ著『FLOW』を読んで以来ずっと気になっていた。 2006年の11月に読了しているから、7年経っている。生まれ故郷のこんな片田舎の公民会に日本…

なぜなら、カミというのは、太古から人間をして心からよかったと思わせてくれてきたものの総称だからである。『ここで暮らす楽しみ』山尾三省 庭先でニホンミツバチを養蜂している方が採蜜するというので車で一時間半程かけて遊びに出かけた。 ここ最近ミツ…

肉を口にしなくなると、うんこが草のようなそれこそ草食動物の出すそれのようになり、 どっさりと朝起きてすぐに出て、そして排便と清掃とは同じことだと、ふと直覚する。 海を汚す原発はもうそれだけで絶対悪なもので、内と外、それは自分を汚すことと明確…

私はあなたの慰めがあなたを弱らせるだけであるのを知っているからこそ、あなたにそれらを投げ捨てなさいと言うのだ。『自由と反逆』クリシュナムルティ 交通事故の経験のある方はわかると思うが、その衝撃、そして打ち続く衝撃波のようなものはずっと身体揺…

毎朝4時過ぎには起きて、深く呼吸をしながら星空を月を見、鈴虫や蛙の鳴き声を聴く。 もうこの時間帯には秋の気配がかすかに漂いはじめている。 自転車で通勤するようになって朝、10分15分の空き時間が生まれ、 その時間に部屋の雑巾がけなどすると実に気持…

MILTON NASCIMENTO「 Music For Sunday Lovers」を何度も聴く。 Music For Sunday Lovers とはなんて素敵な言葉だろう。 ミルトン・ナシメントの音楽はどれも行ったことのないブラジルの広く澄んだ真っ青な空や大地を、 (つまりそれは地球ということだが)…

交友や愛情、あるいは自分を虐待した人々との歳月、こうした友好的なことも野蛮なこともなにひとつ痕跡を残さなかった。『クリシュナムルティの日記』クリシュナムルティ

愛は感傷でもなくロマン主義でもない。それは死と同じほど強く、決定的なものだ。『クリシュナムルティの日記』クリシュナムルティ

朝、清掃の方が黙々とオープン時の掃除をされていた。 あはようございますと声をかけても聞こえなかったようだ。 自分は石や木片のようなものとして見てくれということだったのか。

広島、長崎へ旅をした。 原爆も原発も同じだと思った。言葉を介さずして、この原爆の悲惨を受け止めたいとずっと考えていた。 だから資料館はつまらなかった。 投下目標の目印となったT字の相生橋に立って六千度の熱線を思った。 はだしのゲンの原画展を見て…

騒々しい観光客らは、まだ来たことがなく、この沈黙した大いなる者と共に、あなたは独りでいることができた。その下に坐っていると、樹は天へ聳えるほど巨きく、時間も消えた。永い歳月によって沈黙の威厳を身につけ、老年の無関心に達していた。それはあな…

瞑想のなかに平和がある。瞑想自体がその動きだ。それは発見されるべき目的地ではない。思考とか言葉によって組み立てられたものではない。瞑想の行為が知性だ。瞑想は、あなたがこれまで教えられてきたことや、経験してきたことではない。学んだり経験して…

「かつて漱石先生は『草枕』の中で羊羹の色を讃美しておられたことがあったが、そう云えばあの色などはやはり瞑想的ではないか。玉のように半透明に曇った肌が、奥の方まで日の光を吸い取って夢みる如きほの明るさを啣んでいる感じ、あの色あいの深さ、複雑…

夏至の日のキャンドル・ナイト。 蝋燭の火で夕食。 視覚にたよって物を食っていたことに気づく。 味と正面から向き合う。 無農薬の味噌汁がことさら美味い。 闇になると聴覚も静まり鋭敏になるようだ。 時計の針の進む音が冴えて響く。 暗くなったら眠ればい…

朝は4時半過ぎには起きている。外へ出て腹式呼吸をくりかえす。 晴れた日のほうが空気はうまかった。目を閉じて鳥の声を聞く。 さいわいこの辺りは川辺が近いこともあり、鳥の啼き声に不自由しない。 しばらくして目を開くと、草木の緑が網膜にじわっと染み…

花があちこちに咲いて草が生い茂っている季節は、猫にとって世界はどんな匂いの集合体になっているのだろうか。『明け方の猫』保坂和志

瞑想は祈りとは無縁である。祈り、祈願は自己憐憫から生まれる。クリシュナムルティ

俺が何かしているんだという主語が非常にはっきりしているときというのは、治療は上手いこといってません。中井久夫

主体=客体といった関係が不意に消滅する瞬間に批評が、あるいは創造が体験として生起するのだ。「映画と批評」蓮實重彦