2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

要するに、しばしば、災害と革命は不可分なのだ。『社会は絶えず夢を見ている』大澤真幸

たとえ読者が一人しかいなくとも、万人が読んでいる、すくなくとも知っている、と同然です。『寓話』小島信夫

1:44pm

6:50pm

二度と思い出さないであろうヴェルレーヌの一行があり、 わたしの足には禁じられている近くの通りがあり、 最後にわたしの姿を覗いた鏡があり、 この世の終わりまでと思いつつ閉めた扉がある。『限界』ボルヘス

かつてあったことは、これからもあり かつて起こったことは、これからも起こる。 太陽の下、新しいものは何ひとつない。 コヘレトの言葉

折口の言葉そのものの中で折口から遠ざかろうと努めること。松浦寿輝

6:57pm

確かに、さよならだけが人生さと思う

私はあれから、自分が小説の中の人物のように感じはじめられたのだろう、と思います。『寓話』小島信夫

8:02am

8:03am

一人の人間が誰に知られずとも、何事かをしつつあるということは、それだけで歴史であるからである。そう思わなくては、浜仲にしろ自分にしろ、日を過ごして行けるだろうか。『寓話』小島信夫

2:03pm

目的が何であるかが、最初から分かるようなことは、信じるに価しない、『寓話』小島信夫

8:33pm

「問題は腕だ。腕こそ神様だ。その次には女が神様だ。いい気持ちだ、実にいい気持ちだ。雨が降っているか」と笑って眼をつぶった。 「モルヒネなのよ」と細君が耳打ちした。意外に大きな声だ。 『別れる理由』小島信夫

実際には、夕方と朝ほど違ったものはない。レヴィ=ストロース

6:06pm

日を受けて幻のように光る草むらを背にして通りの方へ戻り、一瞬、その草の葉が昔、土方をしながら眼にした時のものだった気がして、秋幸の体の中に音楽のように鳴るものがある。『地の果て 至上の時』中上健次

3:08pm

夢みていた男の夢のなかで、夢みられた人間が目覚めた。『円環の廃墟』ボルヘス

11:02am

6:38am

家のすぐ脇まで来て甘いにおいが風に混じっているのに気づき、秋幸はそれがこの季節になると昼も夜も甘い芳香に人を染め上げる夏ふようのものだと知り、自分がこの地に居なかった三年間がここにはどんなに濃い時間だったか思い知らされた。『地の果て 至上の…

見えない夜の月の代わりに 引っ張ってきた青い君 山口一郎

7:19pm

通りには、雪と南国の香りをまじえた空気が立ちこめていた。五月の中旬だった。『三人の女』ムージル

2:55pm

「腹が減ったんじゃ。大阪から一番の汽車で来たさか」秋幸はそう言って、大阪の刑務所を出て駅前の終夜営業のサウナで夜明かしをして紀伊半島の海岸線を走る始発に乗ってから、これが初めての言葉だった事に気づいた。『地の果て 至上の時』中上健次