2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「かつて漱石先生は『草枕』の中で羊羹の色を讃美しておられたことがあったが、そう云えばあの色などはやはり瞑想的ではないか。玉のように半透明に曇った肌が、奥の方まで日の光を吸い取って夢みる如きほの明るさを啣んでいる感じ、あの色あいの深さ、複雑…

夏至の日のキャンドル・ナイト。 蝋燭の火で夕食。 視覚にたよって物を食っていたことに気づく。 味と正面から向き合う。 無農薬の味噌汁がことさら美味い。 闇になると聴覚も静まり鋭敏になるようだ。 時計の針の進む音が冴えて響く。 暗くなったら眠ればい…

朝は4時半過ぎには起きている。外へ出て腹式呼吸をくりかえす。 晴れた日のほうが空気はうまかった。目を閉じて鳥の声を聞く。 さいわいこの辺りは川辺が近いこともあり、鳥の啼き声に不自由しない。 しばらくして目を開くと、草木の緑が網膜にじわっと染み…