2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧
われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか ゴーギャン
小島さん、あなたは逃げるということについて徹底的に考えられたことがありますか。人間は何故逃げなければならないか、ということを。あらゆる人間は、自分になるためには逃げなければならないのです。過去からすべてから逃げださなければならないのです。…
さ(密告)せば自分もおなじ憂き目にあうと知りながら、さ(密告)さずにいられぬ者が出て来たのかもしれません。『天沼』森敦
平野勝之監督「監督失格」を大分シネマ5で見る。凄すぎた。。 小島信夫の『別れる理由』の後半や『美濃』がこれは小説なんだろうかと疑問を抱かせるのと同様に、「監督失格」も映画なんだろうかと思うが、最後「再生」という落としどころでかろうじて「映画…
そんなことを思っていると、ふとなにもかもが酒田の館で見た映画のような気がしはじめた。わたしはあれから目が冴えて眠れず、館では終始うとうととしていたのである。『初真桑』森敦
しかもその色が雪に映え、みずからは埋もれるとも知らず雪の中へと眠って行くような、あるいはそうしたセロファン菊の夢みた夢の中の雪に、わたしがいるような感動を覚えずにはいられませんでした。『月山』森敦
俗の力を借りずに清は清たる所以を満足に充たすことも出来ない。「月山・解説」小島信夫
こうして、だれもがもう人間でなくなろうとしながらも、まだ生きているぞというように、いびきをかいているのだ。『初真桑』森敦
長生きするとはすべてが遅れることで、長生きを楽しむために、われわれはじつにひたすら遅れることをこいねがい、むしろ喜ばねばならぬことが、わたしにもわかって来た。『初真桑』森敦
わたしはなぜ吹浦にやって来たのか。他人すらもう問おうとしないそんな問いを、わたしは自分にしてみることがあった。『初真桑』森敦
過去とは未来の一部であり、未来をいいかえたものにすぎない。『別れる理由』小島信夫
千年も前から言い続けたように、「アキユキは分るじゃろ、草の原っぱはええもんじゃろ」と眼をのぞき込むように見て言う。『地の果て 至上の時』中上健次
分かってほしいっていう心境は捨てた方がいいです。金村修
もともと時間というものは空間と同じことなのじゃないのか。『別れる理由』小島信夫
夢とは夢想のことですか、それともほんとの夢のことでしょうか。それも含めてのことでしょうか『別れる理由』小島信夫
万年筆で書いてみたくなる小説のタイトルがある。いやただ最近買った万年筆を使いたいだけかもしれない。 タイトルは重要。タイトルは読んでいる間中ずっと作品の中身と照応し続けている関係にある。微かにでも。 小島信夫の小説『別れる理由』は、小島氏は…
一九六六年五月十一日 他者を無とみなすのは、自分が無に帰すことである。取るに足らぬもののためにしか存在しえなければ何ものかであることは不可能になる。 ミシェル・レリス『ミシェル・レリス日記』
文学とは人間の心の伝記を書くことでしょう。『別れる理由』小島信夫
「ドキュメンタリー」という言葉の中には「メンタル」が入り込んでいる。サカナクション
これは文章ではあるかもしれないが文体というものではない『別れる理由』小島信夫
そらアヤちゃんは、男の腐れ金玉が勝手に歌歌い出すほどの器量好しやわな。『赤目四十八瀧心中未遂』車谷長吉
ホラ、ぼくは記憶からできてできて、どうして記憶から脱れることができるか、なやんだくらいだったからね。『別れる理由』小島信夫
殺風景万歳、殺風景を殺せ。『反写真論』倉石信乃
『別れる理由』のことでないことが一つでもあるのだろうかね。この十何年間というものは、すべての私の行動も、私をとりまく誰彼の行動も、もっとワクを拡げて世界中も。『別れる理由』小島信夫
いっきょに損失を電力に変えるー不幸を幸福に変えるようにーありさまとその仕事にたずさわる人間の様子を見に行ったものであった。『別れる理由』小島信夫
放置自転車を放置せよ、と金村は言う訳ではない。『反写真論』倉石信乃
もう既に起こっている変化に追いつくことだからね、革命とは。そうじゃない?『別れる理由』小島信夫
京子さん、陽子さんになりなさい!『別れる理由』小島信夫
それとも君は、すべてを無として措定し、しかも自分は存在しようとする、そんなエゴイストなのか。『経済学・哲学草稿』マルクス
私はあれから、自分が小説の中の人物のように感じはじめられたのだろう、と思います。『寓話』小島信夫