北へ来た





なぜかぞろぞろと北海道へ。ここは日本じゃない。植生がぜんぜん違う。
ここには日本的なものはなにもなかった。ただただ雄大


飛行機から下界の風景を眺めることがこの年齢になっても興奮する。
下北半島を通り過ぎるときに恐山のハート型をした宇曽利湖を眼下に捉えることできたことに心底よろこぶ。
右脳とは今がすべて、この場所がすべてなのである。
私は十五年前に東北を旅したけれど、その実在はそのときだけにあって、今は幻影のただなかであった。
それが再度上空から「確認」できたことで、なんらか過去のその旅と再び出会い、なんらかの実在の確実性が
一瞬与えられ、充実があったのだった。
だから自分は地理が好きなのかといま解けるものがあった。


自分のこういった感覚の過剰な今性は、ずいぶん他人とは違うことに最近気づき、
そして最近それは右脳の作用によるものだと気づき、はげしくよろこんだ。


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