2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧
8:01pm
「おれが差す部分の名称を言え、ええか。」 「はい。」 私は、大前田の右人差し指の動きを追って、「照星、㮶杖、上帯、下帯、木被、照尺、照尺鈑、遊標、遊底覆、槓桿、用心鉄、引鉄、弾倉底鈑、上支鉄、下支鉄、銃把、床尾、床尾鈑、床嘴。」と正確に、澱…
不寝番というのは淋しいなあ。みんなが寝ているのに自分だけが起きている。城壁というのは土のにおい、草のにおいがする。我々は城壁の外から敵が忍びよってきやしないか、時々眺める。ロバが啼くのは城壁の中だ。我々は二キロ歩いて、廟のあるところへ行く…
われわれのリアリズムは倍率一倍と称する倍率一・二五倍である。『意味の変容』森敦
8:11pm
僕たちは薄い布だ 折り目のないただの布だ 影は染まらず通りすぎて行き 悲しみも濡れるだけですぐ乾くんだ「years」山口一郎
馬はたまっていた鼻息をいっぺんに吐いた。我ながらその息のくささが悲しかった。『別れる理由』小島信夫
人ハ三十トモナレバ、美シキトイウ言葉ヲバ、善キトイウ言葉ニ換ウルベキモノナルニ 『別れる理由』小島信夫
幻術がまったくないのは、かえって恐ろしいことだよ。『意味の変容』森敦
昔、アレッポーの町で、ターバンを巻いたトルコ人が、不埒にもヴェニス人を殴ってその国を罵っているのを見て、その異教の犬の喉元を引っ掴んでこうやって刺してやった。<自分を刺す>と呟いた『別れる理由』小島信夫
人生ほど、 生きる疲れを癒してくれるものは、ない。 ウンベルト・サバ 須賀敦子訳
既ニ死ヲ知ラバ 何ゾ生ヲ知ラザラン 『意味の変容』森敦
それでいて、西風の運んでくるこまかな砂粒が頬のあたりにはじけるとき、何の変哲もない草木の名を知らずにいることが、装われた無知ではなかろうかと訝らずにはいられなくなる。『陥没地帯』蓮實重彦
この本のタイトルをどうしようかとあれこれ考えつくしたあとに、私たちは正しいタイトルにいたりついたのだろうか。『建築する身体』荒川修作+マドリン・ギンズ
8:11pm
「多くの者が召されるが、選ばれる者は少ない」のではなく、「多くの者が召されて、しかも多くの者が選ばれる」ような、そうした空間ではなかったか。『反写真論』倉石信乃
国東半島国見町 櫛来社蹴火子祭 10.14
8:53pm
たとえば季節の推移とかそれに応じて表情を異にする外界の事象であるとか、とにかく存在が無意識にその変化を符牒として読みとり、そのつど乱された調和を回復してゆくことになる刺激の総体は、われわれの生の条件と死の条件とを同時に開示するものとして、…
2:53pm
6:00pm
2:52pm
かつてあったことは、これからもあり かつて起こったことは、これからも起こる。 太陽の下、新しいものは何ひとつない。 コヘレトの言葉
1:31pm
はっきりしていることは、〈流祖の時代〉の刀法は、予測を許さない禍々しい敵手との百年の葛藤の末に生み出されたということです。そうした敵手を背腹に受け、脅しも、すかしも、厭がらせもしないものが、上泉伊勢守の刀法であった。彼の刀法がこの時代を制…
3:22pm
6:55pm
家なんか焼けたっていいわよ。空き巣が入ったっていいわよ、どうせもともと私は燃えているのだし、私は長いこと空家なんだもの『別れる理由』小島信夫
4:11pm
11:12am