2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

Always thank you for the visit. A bad year does not continue twice... 災害が起こると、みな声が弾み出す。宮崎駿 − 年齢からくるプレー内容の衰えを指摘する人たちがいる。 イチロー 確かに紅白歌合戦を見ていると演歌の方が気持ち良くなってきたりして…

年を取って、作者もボルヘスであることへのあきらめの境地に達したのだ。ボルヘス

十月二十八日 わたしにとってリアルな芸術、現実を語るただひとつの芸術とは、現実との和解を可能にする唯一のものであり、あるいは換言するならば、現実の力を取り戻す芸術である。『ミシェル・レリス日記』ミシェル・レリス

仕事を見ていると、そこには心と手との数限りない反復があることが分る。有難いことにこの繰返しは才能の差違を消滅させる。下手でも下手でなくなる。この繰返しで品物は浄土につれてゆかれる。(略)この「我」を去らしむるものは、多念であり反復である。…

民藝品とは、成仏した物のことである。前田英樹

老人はみなそうだと言いますが、目を覚ましたときもの悲しくなるということはありませんか。 森敦『対談・文学と人生』

あるいは彼らのもっている世界をなだめるには、殺人であるとか、それから祈りとか、それしかないという感じもどこかにあるわけですよ。小島信夫

五月二十五日 真実の瞬間といっても、生涯にわたってこれがわれわれを刻印せねば、本当にそうだとはいえない。『ミシェル・レリス日記』ミシェル・レリス

韓国の民家に多いレンガ塀が両脇の視線を遮る。オンドルに使用したあとの煉炭の山が道端に放置され、雨に崩されて周囲の土になかば融けかかっている。月遅れの香港映画のポスターと間諜通報のビラが、レンガの節目ごとに破れ、風化したまま残っている。壁の…

いずれにせよ、文学は方向づけられた夢以外のなにものでもない。ボルヘス

人間も動物も植物も天も地も、みんな同じように生き生きして自分を主張しようとしているということを、どうしても書こうとした。 小島信夫『私の作家遍歴』

人はどうして道を失うことの焦燥と脱出への冀求のみを語ってきたのだろうか、と考え始める。壁から壁へ、敷石の起伏と屈折に身をゆだねながら歩き続けているかぎりほとんど無限に歩くことのできる毛細血管のごとき路地のなかに身を埋めることの快楽。これが…

病とはプロセスではなく、プロセスの停止なのだ(略)それゆえ、そのような存在としての作家は病人なのではなく、 むしろ医者、自分自身と世界にとっての医者である。 世界とはさまざまな症候の総体であり、その症候をもたらす病が人間と混合される。 文学と…

わたしは過去、そして遠い未来に棲む人間です。現在に棲んでいるわけではありません。努めて同時代の人間たらぬように心がけているほどです。 ピエール・ルジャンドル『ルジャンドルとの対話』

あるとき、ふと目の前の視界がひらけ、石畳に覆われた小さな広場に辿りついてしまう。道と道との結節点だ。散髪屋があり、自転車屋がある。狭く薄暗い店のなかで、男たちが豚足を肴に黙って焼酎を呑んでいる。なにかを話しているというわけでもない。夕暮れ…

パラム 風。日常、飯をたべたり、歩いたりするとき以外、私は風景ばかりみてくらした。パンドホテルとサムソンビルの間の広い道路のとば口がお気に入りだった。サムソンビルと市庁の間を鍾路の方へおちる少路から、この広い道路へ風が吹き抜けてくると私の胸…

第二部定理四十四 系二 物をある永遠の相のもとに知覚することは理性の本性に属する。『エチカ』スピノザ

私は「青く高い空」の章では、人が戦場でたおれるとき青い空を恋しがり、あそこに幸福があったと思うということについて話した。 小島信夫『私の作家遍歴』

私をこの風景のなかに置きざりにして、遠くさがって私自身の姿をみたいと思った。結果はわかっている。完全に拒絶された姿だ。『私の朝鮮語小辞典』長璋吉

二十七歳の強壮な男は…彼はペトロパヴロフスク要塞監獄に八ヶ月いるあいだも胃や痔を悪くしたようだが、大してへばらなかった。狂ったものもいたが、そういうことはなかった。そのかわり小説を二つばかり書いた。それが健康法だったともいわれる。そういうふ…

私は長い引用をしてしまったことを詫びます。あまりにも有名な文章を引用することに気も引けるのです。しかしこれは格別なものです。一度引用しだしたらやめることは出来ないのです。『私の作家遍歴』小島信夫

なぜ日夜幸福を求めながら、私たちは、不幸を求めるのか。『私の作家遍歴』小島信夫

雪の中で酒を飲むのさえ「花見しょう」と言い、あれほどだれもが春を待っていたのに、花は見る人もなく夢のように過ぎて、いつか青葉若葉の繁りになり、日照りがヤキヤキと感じられる日すら続くようになりました。『月山』森敦

物たちにも、おまえたちもう安心しろと言えるようなものを書きたい。埴谷雄高

人間の運命は完璧に決まっているが同時に完璧に自由 甲野善紀

部屋の延長としての軒下の縁に坐るとき、そのままそこに自然はしのび寄ってきてくれた。『日本デザイン論』伊藤ていじ

やがては春になるというそのことによって、美しい大きな約束のあることを信ぜよ『天沼』森敦

エルヴィス以前には何もなかった。ジョン・レノン

心労があるときは、昔を思い出す。この夜もそうだった。『美濃』小島信夫

「権利」なしに書くものたちが期待するのは、もっぱら「才能」である。であるが故に、そこでは退屈さとめぐりあうことしかないだろう。あらゆる人にほどよく備わっていたりいなかったりする言葉の「才能」の分布が、詩の世界にも等しく認められるというだけ…