誰もがまったくのしらふだったのだ。真っ暗な店のなか、ぽつぽつと点されたろうそくの小さな光のうえを、幽霊のような演歌が漂っていた。「母の、小さな、てぶくろを」日本の演歌を良いと感じてしまったのは、私の人生のなかで初めての体験だった。「忘れも…
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