次にカクレキリシタンの名称であるが、長崎県下各地において彼ら自身はみずからカクレキリシタンとは称してこなかった。生月では「古ギリシタン」「旧キリシタン」、平戸では「辻の神様」、外海では「昔キリシタン」「古ギリシタン」「しのび宗」、五島では「元帳」「古帳」というように地域において異なっていた。実際には仲間内ではこのような名称を口にすることはほとんどない。以心伝心である。『カクレキリシタン』宮崎賢太郎