この夢では筏の上に立って陸地に着くのだが、明恵がこの夢を見る二年ほど以前に「筏立」というところに住んでいたことを思い合わせると、なかなか興味深い。夢は時にこのような語呂合わせのようなことをして、ユーモラスな感じを与えてくれる。『明恵 夢を生きる』河合隼雄