それはつまり、私が自分の家から、庭から、いつか追い出されるということだろうか、私の木々も、芝生も、小鳥たちも、一羽一羽と親しく、それぞれの鳴き方、飛び方、私のそばへ寄ってくる仕方、近づくと逃げ去るやり方を持っているあの鳥たちを失うこと、そして、すべてがそれぞれの場所におさまり、一人の男であることに耐えることができるように、いるものはなんでも手もとにあり、敵に犯される心配もなく、私が一生をかけて、建てあげ、飾り、完成し、維持してきたわが家の内部のこのばかばかしいまでの快さをすっかり失うこと、そうなのだろうか。『モロイ』ベケット