その兵隊は、半裸体のまま、手を妙な具合に曲げると、いきなりシュッシュッと言いながら、おそろしくテンポの早い出鱈目の踊りを踊り出した。よろめく脚を軸として、独楽のように廻った。手を猫の手のようにまげて、シュッシュッという合の手と共に、上や下に屈伸した。歌声が止み、濁った笑い声が、それに取って代わった。『桜島梅崎春生