娘が死んだとて直接は関係の無い、恐らくは悲しくも嬉しくもない連中が、落着かぬ気持で酒を飲んでいるうちに段々いい機嫌になっては来たものの、騒ぐわけには行かんという反省が内向して変な具合になり、酔いがこじれたままで一挙にふくれ上って来るようすであった。『風宴』梅崎春生